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悩み: 趣味がないのですが、どうすればいいでしょうか?―鳥の頭で考えた(1)

こんにちは、ハロボ編集部です!HELLOBOYSでは、お悩み相談企画第1弾として「鳥の頭を考えた」を今週より5週連続で連載いたします。回答者は、アルファペンギンとして鋭いツイートを日々発信する鳥さんです。

 

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お悩み:趣味がないのですが、どうすればいいでしょうか?

21歳男性です。私にはこれといった趣味がありません。

自己紹介の時に、趣味について話す機会が多々あるのですが、趣味がないため、いつも言葉に詰まってしまいます。

日常的に音楽は聞いているけれども、わざわざ趣味で音楽鑑賞というのは何かが違うし、本を読むことは多いけれども、私にとってむしろ水を飲むのと同じ感覚です。水を飲むのをわざわざ趣味とは言わないですよね?

自己紹介で必ず趣味の話になるように、どんな趣味を持っているかというのが、人となりを知る一つの手がかりになっていることは確かです。なので、趣味がないと口にするたびに、私という存在を薄っぺらいものとして捉えられているような気がするし、実際私もそう感じています。

趣味を持つべきものなのでしょうか?もし持つべきだとすれば、どのようにして見つければよいのでしょうか?

 

回答:鳥さんからのアンサー🐧

鳥です。くちばしが鋭いです。からだはモノクロですが物事はそんなに白黒つけません。

質問はどのような意図でされているのか?必ずしも事実を答えなくてもいい

さて、「趣味を持つべきものなのでしょうか?」「どのようにして見つければよいのでしょうか?」とのことですが、鳥類の感覚からすると、その問いの立て方そのものが当を得ておらず、かえって悩みを深刻化させているように思います。

まず、忘れてはならない視点は「あなたはなぜ趣味を他人に教える状況になっているのか」ということです。

鳥が思うに、マッチングアプリやSNSを通じて出会いを求めるゲイは、そうでない人々に比して、初対面で自己紹介をするシーンが多いです。そして、それはビジネスではなく、互いに興味を惹かれて対面にまで至ったという意味で、極めてプライベートな性質のものです。

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そのような文脈のもとで質問された場合、必ずしも事実を伝える必要はありません。大切なのは、その質問がどのような意図でされているのか、それを丁寧に見極め、それに即した回答をすることです。

では、プライベートなシチュエーションにおいて趣味を問われるとすれば、その質問の意図は何でしょうか。相手がどんな実生活を送っているか、事実と相違なく、正確に知ることでしょうか。鳥類はそのようには考えません。我々はそのような時、「趣味という話題を足がかりに、距離を縮め、仲を深めること」であると解釈します。

たとえ習慣であっても「一般的にどう捉えられているか」という視点を持つこと

質問文を拝読したところ、あまりにも日常のルーティンとして定着した行為をことさら「趣味」として他人に紹介することをためらっているのだと拝察いたしました。その価値観は決して間違っていません。音楽や書物に対する愛が文章ににじみでており、立派な心がけとさえ言えます。

しかし、自分の「趣味」や日常のルーティンを、あなた自身がどう捉えているかは重要ではありません。自発的に音楽を聴かない人間は世の中に大勢いますし、読書を水分補給に例えるなんて活字嫌いからしたら宣戦布告されてるようなものです。考え方の出発点は、あなたが自分の習慣を生活の中でどう位置づけるかではなく、“それらが一般的にどう捉えられているか”ということです。

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一般的に見れば、それだけ音楽鑑賞や読書が習慣として身についているのは、立派な「趣味」だと受けとめられるでしょう。

情報を付け足したり、相手の想像が膨らむような回答をしたりするのも手

あまりに漠然とした回答だと思えるならば、自分なりのスタイルや流儀についての情報を付加してみてはどうでしょうか。例えば、「家事をする時はバイブス上げてきたいからロックぶちかますけど、いちばん好きなアーティストだけは集中して聴きたいから正座」とか。正座はちょっとアレだけど。

さらに言うと、これは鳥類が日頃から実践しているテクニックですが、趣味の話をする時は、できるだけ相手がそれに関わる妄想をかき立てるような伝え方をする、なんてどうですか。

あえて読書を趣味として挙げず、「本屋さんや図書館に行くのが好き」と伝え方を工夫するとか。

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本のある空間が好きな人は読書自体も好むでしょうし、さらにそれを言うことで、読書という内向的な行為が外交的なイメージをもって受け取られます。その情報があれば次に会う口実にもなりますし、相手からも誘いやすくなるはずです。

(「本はAmazonで買うから本屋に行かない」という人はもう鳥の翼に負えませんが。)

 

義務感に駆られて趣味を探すよりも、相手に楽しみを与えよう

以上のことから、鳥はこう思います。あなたには趣味がないのではなく、すでに語るべき趣味を持っていて、今までそれを語る方法を知らなかっただけである、と。

したがって、あなたが別の趣味をあえて探す必要は感じられません

趣味というものは、そこに何らかの義務感を見出せば途端に味けなくなるものです。認知症を防ぐとかそのレベルまで差し迫ってるならまた別だけど。

それに、確固たる「趣味」のあるなしと人間として厚みは必ずしも直結しないのではないでしょうか。大切なのは、自分のやることなすこと、それらにどのような意味を見出し、他人にどう語るか。

そこに私たちの人格の豊かさが計られるのではないでしょうか?鳥類に偏った意見ばかりで恐縮ですが、ぜひ自分の日常生活を、そこで見聞きしたものを、誇らしく語ってほしく思います。

音楽鑑賞や読書といった行為自体は他人と共有しにくい場合もありますが、それらから得られた知識や感慨は他人に伝えることができますし、語り方しだいで相手がまだ知らない楽しみさえ与えうるものです。

 

趣味の質問は会話の糸口に過ぎない。相手の関心はあなた自身にある

よくよく考えたら、「ご趣味は」なんて質問は、質問した方からすればそれほど重い問いかけではないです。「音楽」と言えば、次に「どんなジャンルが好きなんですか?」と続き、「読書」と答えれば、すかさず「最近どんな本を読んだんですか?」と会話が続きます。

その人からすれば、あなたがどんな熱量で趣味というものを捉えているかを知りたいのではなく、あなたと会話をするための糸口がただ欲しいのでしょう。趣味を聞いている時点で、相手はあなたに対して一定以上の関心を抱いているわけです。

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事実を曲げたり、信念に背くことを言う必要はありません。でも、初対面というシチュエーションに過剰に自己実現の意識を持ちこめば、流れるべき会話も流れてゆかないものです。「休みの日は何してるの?」と聞かれて「寝てる」と答えられたら、止まるのは明白です。

「趣味とは何か」と自分の頭で考えるより先に、今あなたの目の前にいる人の関心のありかに思いを馳せましょう。そして、相手があなたに関心を持っているという事実にも。

「なにか趣味はお持ちですか。」

今度こう問われたら、正面切って気楽に答えてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

  • 質問はどのような意図でされているのかを考えて、必ずしも事実を答えなくてもいい

  • たとえ習慣であっても「一般的にどう捉えられているか」という視点を持つことが重要。情報を付け足したり、相手の想像が膨らむような回答をしたりするのも一つの手

  • 義務感に駆られて趣味を探さなくてもいい。趣味の質問は会話の糸口に過ぎず、相手の関心はあなた自身にある。気軽に答えよう

 

回答者Profile

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編集部より

自分でやきもきするよりも、質問している相手に関心を向ける意識、頭では分かっていても、実践するのは難しいですよね。質問していただいた方も、少しずつトライしてみてください。

「鳥の頭で考えた。」は毎週火曜日更新です。現在、質問箱を通して、鳥さんへのお悩み相談を募集中です。以下のリンクから、どしどし質問をお寄せください!

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