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ゲイが女性と結婚するとどうなる?結婚生活の苦悩を人生の先輩にインタビューしてみた

こんにちは!ハロボ編集部です。新連載「しくじりせんぱい」では、「人生を盛大にしくじった人から『しくじりの回避法』を学ぼう!」をコンセプトに、人生の先輩たちに話を聞いていくコーナーです*1

「同年代の友達は多いけれど、年が離れたゲイの人の話って聞かないな…」というある編集部員の悩みから生まれた企画です。

初回は、結婚経験でしくじってしまったともやさんにお話を伺いました。

 

 

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- 編集部:こんにちは、ハロボ編集部です。「しくじりせんぱい」にご協力いただきありがとうございます。まずはお名前と、ご職業を教えてください。

ともやです。コンサル系の会社員です。

 

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男が好きとわかったのは中学2年のとき。小学5年のある出来事がキッカケ

- 編集部:早速結婚生活の話を聞きたいところなんですか、まずはその手前から教えてください。自分がゲイだとわかったのはいつ頃ですか?

男性のことが好きだと気づいたのは中学2年のときです。キッカケは小学5年のある出来事でしたが、当時はまだよくわかっていませんでした。高校2年生以降、性的に惹かれるのは9割以上が男性だと自覚しました。

 

- 編集部:そのキッカケとなった小学5年生当時、どんなことがあったんですか?

僕のクラスにKという男の子が転校してきました。Kはとても可愛い感じの子で、学校でも下校後も一緒に遊んでいました。当時オカルトが大流行していて、オカルト系のテレビ番組をみんなで観るのが恒例でした。

数人で毛布をかぶってワイワイ見ている中、Kが突然、僕の手を握ってきたんです。「あっ!」って思いました。

 

- 編集部:(その表現かわいいな…)

当時は分からなかったんですが、思い返せばそれがキッカケだったと思います。

そしてKを目で追うようになり「もっと知りたい」っていう気持ちが強くなりました。多分それが恋愛感情だったのかなぁ。

 

- 編集部:転校生のKくんとは、その後何かあったんですか?

いえ、Kとはその後何もなかったです。

 

彼女はいたが、イケメン同級生とキスをする中2の夏休み

- 編集部:では、中学2年のときに男性のことが好きだと気付いたのはどうしてですか?

僕が通っていたのは公立の中学校だったんですが、みんなとにかく誰かしらと付き合う感じで、マセてたんですよ(笑)

波に乗らなきゃと、中1のとき、僕も彼女をつくりました(笑)

その後、中2のときに学年でトップクラスにイケメンのTと仲良くなり、当初は数人のグループで遊んでいましたが、後に2人で遊ぶようなりました。

中2の夏休み、僕の家に親がいないことを見計らって、部活サボって一緒にDVD見てたことがあって。そしたらTが抱きついてきて、軽くキスされました。それが夏休みの間何回か続いたんですが、夏の終わりとともになくなりました。

 

- 編集部:そうなんですね。

Tはめっちゃモテるんですよ、ジャニーズ系イケメンで(笑)

中学の頃は結局それっきりで、結局僕も女の子と付き合いながら高校生になりました。

 

- 編集部:高校になってからはどうだったんですか?

高校でも女の子に告白されては付き合ったりしてたんですけど、どうしてもクラスのイケメンを目で追ってしまうことに気づいたんですよね(笑)

そこで、「おれってもしかして男が好きなんじゃ?」と自覚しました。

当時はガラケーの時代で出会い系アプリなんかもなかったから、掲示板を通して男の子と会ってましたね。初体験は高2だったと思います。

 

大学時代にTくんと再会、その時に…

- 編集部:大学に入ってからはどうだったんですか?

大学に入っても女の子と付き合ってました。入学後すぐに付き合った子は学科で一番人気の子でした(笑)

それから少しして、久々にTと連絡を取ったときに、飲みに行こうという話になり、数年ぶりに再会することになりました。

地元の焼肉屋で飲みました。若いのと久々に会えたのが嬉しくて、お互いべろべろになりました。

「このあとどうする?」となったときにTが「ウチくる?」と言ってきたんです。

Tは家庭の事情があり、実家に1人で住んでて。近くのコンビニで酒を買い込み、Tの家で宅飲みしました。

すごく楽しかったと思うんですが、僕は座椅子で寝てしまったみたいなんですよね。そしたらガチャガチャと音が聞こえて、「何の音だろ?」と目を覚ましたらTが僕のベルトを外してて(笑)

結局僕が起きて気づいてしまったので、その場は何もしてないです。お互い彼女はいたんですけどね。翌朝起きたときはめちゃ気まずかったです(笑)

 

- 編集部:まぁそれは気まずいですよね…。

その後Tから「おれは男も女もどっちもイケる」とカミングアウトされました。

 

- 編集部:おぉ...なるほど(笑)

でも、そのときはそれで終わりです。

 

会社の先輩に飲み会で壁ドンされた

- 編集部:その後は何かありましたか?

また別の人なんですが(笑)

今の会社に入社して間もない頃の話です。僕のことをすごく可愛がってくれる先輩のNさんから「社内で気になってる女の子がいるから飲み会をセッティングしてほしい」と頼まれたんです。

Nさんとその女の子と3人で飲んだんですよ。Nさんはよっぽど嬉しかったのか凄い勢いで飲んでて、Nさんのペースにつられて飲んでいた女の子は先につぶれてしまいました。

その女の子がトイレから戻ってこないので、Nさんと二人でトイレに様子を見に行くことにしました。女の子はやっぱりトイレから出てこなくて、「どうしよう…」と考えていました。

するとそこで突然Nさんに壁ドンされて、「俺、ともやならイケる」と、耳元でささやかれて体を触られて(笑)

「なんでおれ!?」とパニックでした。

だってNさん、極度の女好きで家の床にAVが散らばってるような人なんですよ(笑)

結局その後Nさんもつぶれて、2人を送ることになりました。

そのときに、Nさんにどうしても泊まっていってほしいと言われたので、そうすることにしました。その後、Nさんの家で少し色々ありました(笑)何があったかはヒミツですけど(笑)

 

- 編集部:えー、何があったのか気になる!(笑)

それは言えませんが、翌朝「昨日あったことはだまっててくれ!!...おれがどうかしてた」と言われ、それっきり先輩後輩の関係以上に何もなかったです。

今でもNさんは以前のように後輩としてかわいがってくれています(笑)

 

- 編集部:なんかもう凄いですね(笑)

まぁでも、大学生、社会人になっても恋愛対象は女性でした。相変わらず付き合ったりもしたし、普通に好きにもなっていました。

 

男性とは1人だけお付き合い。7歳年下のAくんと

- 編集部:じゃあ男性とはお付き合いはせず、恋愛対象は女性だったと?

Aという男性と1人だけ付き合いました。僕が28歳のときに、Aが21歳だったので7歳差でした。出会いは旅行に行ったときにアプリで。

可愛い子だったので、一緒にホテルに泊まりました。その後はご想像にお任せします(笑)

 

- 編集部:想像しちゃいました(笑)

自宅に帰っても、電話やLINEをこまめにしてくれて、何度も付き合いたいアピールをされました(笑)あまりに毎日のように言われるので、最後は熱意に負け、OKしました(笑)

遠距離恋愛ってほどの距離ではないかもしれないですが、新幹線でドアtoドア2時間以上かかるので、会うのは2週間に1回くらいでした。いつもAが僕の家に会いに来てくれていました。

カラダの相性は今までで1番よかったですね。僕のことをとても大事にしてくれ、付き合いながらどんどんAに惹かれていきました。付き合ってから人を好きになったのは初めてでした。

 

「ともくんには幸せになってほしいから別れる」

- 編集部:めちゃいいじゃないですか。でも別れてしまったんですか?

結局半年くらい付き合ったんですが、自分からから別れを告げました。

転職と結婚をしたかったことが理由ですね。長男ということもあり、今後の人生のことを考えて出した結論でした。ここに時間を費やせば費やすほど転職も結婚もお互いの関係もダメになってしまうだろうから、と。

Aは途中までずっと黙っていましたが、すべてを察しニコッと微笑み「ともくんには幸せになってほしいから別れる」と言ってくれました。

今でもあのときのAの顔は忘れません。本当に大好きでした。

よくよく考えればAと一緒にいるという選択肢もあったと思います。でも、僕は長男で、子どもが欲しいという社会的役割、性役割みたいなものが常にのしかかっていました。温かい家庭が築きたかったんです。目で追う人はほとんど男性だし、性的対象も男性なんですけど、結婚だけは少し違う考えを持っていました。

 

- 編集部:それは切ないですね…。そういうことがあってから、女性と結婚したと。奥さんとはどこで出会ったんですか?

彼女は、高校の同級生で、出会ってからは15年くらいが経ちます。高校卒業して以来、たまーに連絡する程度でした。バツイチ子持ちで3歳の男の子がいました。久しぶりに会って、話して、そこからですね。

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びびっと来た高校の同級生と結婚、しかし「一戸建ては嫌だ」と拒否

- 編集部:結婚相手に対してはどんな感情を持っていたんですか?

最初はすごく良い人だと思っていました。びびっときて、この人となら家庭を築きたいとも思いました。でもすぐに冷めちゃいましたけどね。

結婚する前に「将来的には、うちの親と2世帯で住まないといけないかもしれないけど大丈夫?」と確認して、元妻は承諾してくれたんですよ。

子どもが小学校に上がるまでには引っ越したかったので、時間があれば家を見に行っていまして。結婚3ヶ月目くらいに、ようやくこのハウスメーカーに決定しようかなと固まり始めた時、突然元妻が営業の方に「一戸建ては絶対に嫌だ」と言いだして。営業の方も、流石にそれにはぽかんとした表情でした(笑)

その日の夜に大喧嘩しました。元妻に一戸建てが嫌な理由を聞いたら、「虫出るから無理。それにもしアンタが転勤したら誰がアンタの親の面倒みんの?」とすごい剣幕で言われちゃって。

 

 夢を否定され、冷えてしまった結婚生活

- 編集部:そこからもう冷めちゃったんですか?

親を悪く言われたことと、もう1つあって。僕が酔った時、元妻に「海の見える家に住みたい」と言ったんですね。そしたらそれを覚えていたようで、鼻で笑われちゃって。「バカじゃないの?夢ばっか語ってないで現実見れば?」と言われました。

僕にとってそれは実現可能な夢だと思っていて。8年間仕事を頑張ってこれたのは、それがあったからだと思っています。だから、ここまで頑張って生きてきた8年間をを否定された気分になっちゃって。一気に冷めましたね。

感情剥き出しで人の話も聞かず、自分の要求ばかり訴えてくるところもショックでした。会話が成立しないんです。

そうすると不思議なことに、子どものことまで嫌になっちゃって。たぶん元妻の顔に似てるからってのが大きいと思うんですが。

それからはとにかく家に帰りたくなかったです。顔を合わせたくないので、寝る時間を過ぎてから帰っていました。言葉のキャッチボールが満足にできないこともあり、話す気力もだんだんとなくなっていきました。

 

- 編集部:なかなか壮絶というか、いろんなことがあったんですね。結婚してよかったと思うシーンはあまりなかったんですか?

まぁ色々あったんですけど、価値観と視野が広がったのでそれはよかったです。家族、夫婦、子ども、結婚とはこういうことかと少しですが体験できたので、後悔はしてないです。

 

- 編集部:結婚している間の性欲処理はどうしていたのか?

最初は普通にありましたけど、3ヶ月目の喧嘩時以降一切していないです。

 

- 編集部:ちなみに、結婚生活はどのくらい続いたんですか?

結婚してたのはおよそ1年半です。結婚式は元妻が一度していたため、しない方向でした。

 

- 編集部:自らのセクシャリティについて、奥さんにカミングアウトはしましたか?

してないです。流石にできなかったですね。今までそんなにカミングアウトしてこなかった人生でもありますし。

 

離婚して家に安心して帰れるようになった

- 編集部:離婚してよかったことはなにか?

いつでも家に帰れるようになりました(笑)あと、遊べるようになったこと、自分の好きな通りできるようになったことですかね。家族がいると自分だけ旅行に行くのは難しいので。

イライラも無くなりましたね。元妻は自分の部屋はきれいなのに、共有スペースはきれいに使ってくれなくて、それにいつもイライラしていました。僕は掃除好きだからいいんですけど(笑)

あとは、思いやりがないことに大きな不満を感じていました。

 

- 編集部:いま付き合っている人はいますか?

いないです。いい人がいれば、って感じです。

 

 誰かそばにいて欲しいとは思うが、結婚で囚われたくない

- 編集部:仮に彼氏さんが今いたとしたら「結婚したい」と思いますか?

男性との結婚は現段階では考えていません。

 

- 編集部:それは現段階で日本では同性愛結婚が認められていないからですか?

それもあります。誰か側にいてほしいとも思いますが、僕の場合は「結婚」で囚われるのが嫌なだけで、何なら相手が女性であっても子どもを望まないなら、結婚は不要かなと思うタイプです。

子どもは今でも欲しいと思っています。

こっちの人(ゲイ)は、ノンケの人が言う結婚や子育てとかとは違う意味かもしれないんですけど、考えるじゃないですか。世間体を気にしてだったり、家族を気にしてだったり。僕も考える機会は多くて、長男としての「役割」を考えてしまうことが多いんです。

親は直接言ってこないですけど、孫は欲しいと思ってるんじゃないですかね。インスタとか見ていると、結婚して子育てしてる友人が多くて、育児日記みたいになってるんですよね。

時々みるんですけど、それを見た時、自分は社会的にどう思われているんだろうかとか考えちゃいます。自分勝手に生きていると思われてるんじゃないかな、とか。

でも色々考えるけれど、いい人がいればそんなの吹き飛ぶと思います。今は、自分の時間を楽しむことがメインですが、いつかは一緒に寄り添える人がいるといいなと思います。

- 編集部:ありがとうございました!

 

編集後記:

 インタビューを通して実際に結婚した方のリアルなお話を聞けました。ゲイでも家族・地域、色々な事情があって、異性と結婚する方は少なくありません。もちろん共同生活ができないわけではありませんが、慎重になることも大切だということを学びました。

 

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ともやさんとの1枚。編集部は十分に焼肉を食べられませんでした…(泣)

HELLOBOYSでは、今後も人生の先輩へインタビューしていきます。「こんな人に話が聞きたい!」という意見があれば、Twitterや質問箱にお寄せください!お待ちしてます。

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*1:この時点ですでにお気づきの方も多いと思いますが、現在テレビ朝日で放送している「しくじり先生」のオマージュ企画です。